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第2455回 ロールとスイスの謎(1)



 昔と今、外見はそのままで、同じ物のはずなのに大きく変わってしまった物、その一つがロールケーキではないかと思います。子供の頃、ロールケーキというと薄く平たく焼かれたスポンジを丸め、断面は「の」の字のように内側まで生地が巻き込んであって、生クリームはスポンジを貼り合わせるためという感じで少量が使われているだけでした。

 それが最近では「○」のように内側にはスポンジが入り込まず、大量のクリームをスポンジが包むような感じになっています。生クリーム自体もふんわりと軽く泡立てられ、甘さも抑えられている事から多量であってもあっさりと食べてしまう事ができます。

 昔ながらのロールケーキを懐かしく思い出しながら、並べられていると今時の物を選んでしまう事と思っています。そんな思いがあるせいか、のの字断面のロールケーキには昭和の雰囲気を感じてしまいます。

 ロールケーキが日本で普及したのは、大手パンメーカーから「スイスロール」の名前で発売された事がきっかけとなっているとされます。スイスロールの「スイス」は、モデルとなったお菓子がスイスのルーラードであったためといわれますが、登録商標とはなっておらず、一般的な名称として使われていたとされます。

 ロールケーキについては別な由来もいわれる事があり、古くからヨーロッパでクリスマスに作られてきたブッシュ・ド・ノエルを簡素化して、外側のクリームを省略する事でコストダウンを図るだけでなく、切り分けた後、手で摘まんで食べられるようにしたともいわれます。

 ロールケーキの起源は15世紀、ヨーロッパが大航海時代を迎え、スペインが中南米を征服した事で現地から安価な砂糖が入手できるようになり、砂糖と卵を使ったスポンジが焼かれるようになった事に端を発し、崩れやすいスポンジにジャムなどを塗って、食べやすいように丸めたロールケーキの原型は早くから作られていたと考える事ができます。

 ヨーロッパにおいて同時発生的に誕生したとされるロールケーキですが、一説にはイギリスが発祥の地といわれる事があります。しかし、イギリスではロールケーキの事をスイスロールと呼んでいて、ヴィクトリア女王がスイスから持ち帰ったと伝えられています。

 洋菓子の本場、フランスではロールケーキの事を「ルーロー」もしくは「ルラード」と呼んでいて、スイスのルーラードと起源を同じくする物と思えてきます。自然発生的な物と思える事から起源を見付けるのは不可能とは思いますが、一度スイスを経由する不思議な歴史に大いに興味をそそられてしまいます。



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