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第2456回 ロールとスイスの謎(2)



 大航海時代の賜物であるスポンジケーキは、早い時代に日本にもポルトガル経由で伝えられていました。当時の日本では砂糖は貴重なものではありましたが、南蛮菓子のカステラとして日本の食文化に根付き、その後、長く独自の発展を遂げる事となります。

 カステラが日本に伝えられた際、ポルトガルのロールケーキともいえるオレンジの果汁を使った「トルタ・デ・ラランジャ」も伝えられていたとされ、直接カステラに影響を与えはしませんでしたが、トルタ・デ・ラランジャの技法はカステラからの発展形である「伊達巻き」に影響を与え、カステラの発展形でありながらロールケーキの形状を伊達巻きに与えたといわれています。

 伊達巻きは卵にエビのすり身などを加えた豪華な物で、カステラをお菓子から料理の世界へと向けて発展させた物という事ができます。カステラと伊達巻きの中間的な存在として「カステラ蒲鉾」が存在し、最新のスポンジケーキが伝統的な蒲鉾作りと融合し、さらに豪華に発展するにあたってトルタ・デ・ラランジャの技法が採り入れられてロールケーキ状の伊達巻きとなってと考える事ができます。

 伊達巻きの語源については、伊達政宗が非常に好んでいたため、お洒落で上等な物という意味から「伊達者」の名前が当てられた、すでに流行していた着物の伊達巻きに似ていたためなど諸説がありますが、日本でロールケーキが好まれ、今日のような独自の発展を遂げる背景には伊達巻きの伝統があり、その根底にはトルタ・デ・ラランジャがあるように思えます。

 日本では抹茶や米粉との出会いもあり、独自の発展を見せているロールケーキですが、その系譜の中には日本の正月に欠かせないとされる伊達巻きもあるという事には、食の世界の奥深さを感じてしまいます。



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