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第2496回 白く滑らかな謎(1)



 以前行き付けだったスーパーは、一時期だけチーズの品揃えがとても充実していて、しかも手頃な小分け品が多く用意されていた事から、プロセスチーズで育った身としては、一気に世界の食文化に触れられたような気がして、眺めているだけでもとても楽しい気分になれていました。

 そんなチーズ売り場に、明らかに天然の色ではなさそうな気になる褐色のチーズがありました。四角く切り分けられた小片は、厚手のビニールパックが施されていて、触れた感じではクリームチーズの仲間のようなのですが、色合いはチョコレートのようで、ミルク分を多くして少し色が薄めになったチョコレートという印象でした。

 ある日、気になって購入し、試食してみると、まるでケーキのような味わいで、クリームチーズにカカオ分と糖分を加えて作られた物という感じがします。ラベルには「ヌーシャテルチーズ」と書かれていたので、フランスやベルギーなどのチョコ作りが盛んな地域で伝統的に作られてきたのだろうと勝手な解釈をしていたのですが、後に本来のヌーシャテルチーズとはまったく異なる物である事を知りました。

 ヌーシャテルチーズはフランスのノルマンディ地方で伝統的に作られてきたチーズで、世界的にはハート形のチーズとして知られています。100年戦争の際にイギリス軍の兵士に恋をしたフランス人の若い女性が贈ったという言い伝えが残されていて、今日でもその形状からバレンタインデーの贈り物として使われる事もあります。

 表面に白カビの被膜を持つ事から、熟成が進むとクセが強くなる傾向がありますが、通常は製造の際に発酵させない事からクセが少なく、塩分が多めなのでパンやワインと一緒にいただくといわれ、私が出会ったチョコ風味の甘い味とは程遠い物である事が判ります。

 ヌーシャテルチーズはハート形がよく知られていますが、それ以外の形もあり、円筒形や四角形、長方形などがあり、重さによって形が変わるという面白い決まりがあります。ハート形の物には200gと600gがあり、小さいハートは200g、大きいハートは600gと外見だけでサイズを判断する事ができます。

 タイプ的には白カビのチーズではあるのですが、他の白カビのチーズとは違いクリームチーズと同じ手法で作られているのでクセが少ない素直な味が特徴とされ、後に知る事となったのですが、私が最初に食べた物はヌーシャテルの名前が付いてはいますが「ヌーシャテルチョコレート」と呼ばれる物で、ヌーシャテルチーズとは別物である事が判りました。

 製法についてクリームチーズと同じとされる事や、白カビの部分を剥がすと酷似している事などを見ていると、チーズとチョコレートといったヌーシャテル違いは解決されたのですが、新たな謎へと引き込まれて行ってしまいます。


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