FC2ブログ

第2498回 白く滑らかな謎(3)



 先日、生ハムに関するセミナーに出席させていただいた際、0.5mmと0.3mmの厚さに切り分けられた生ハムを試食し、0.2mmという僅かな違いなのに薄い方が風味をしっかり感じる事ができ、ふんわりとした食感と合せて美味しいと思えました。

 その0.3mmの生ハムでマスカルポーネチーズを包んで食べてみるように促され、試してみると生ハムの風味と塩味、マスカルポーネのほんのりとした甘味と滑らかな食感が一体となり、それまで生ハムは前菜、マスカルポーネはお菓子の材料としか思えず、別々の世界の物と思っていた事がとても残念に思えて、イタリアの食文化の奥深さを感じる事ができました。

 マスカルポーネはティラミスのブームの際に材料として紹介され、一気に知名度が高まりました。1970年代にチーズケーキが紹介された際のクリームチーズ、1990年代のティラミスによるマスカルポーネと、日本は二度のクリームチーズブームを経験する事となりましたが、新顔となったマスカルポーネは意外にも最も歴史が古いクリームチーズとされています。

 もともとはロンバルディア地方の冬の特産品として作られていたそうですが、乳脂肪分が80%と非常に高く、その事がバターと生クリームを彷彿とさせる滑らかな食感やコク、ほんのりとした甘味に繋がっています。

 熟成させない事から酸味や塩味がほとんどないため、そうした特徴を活かして濃厚な味わいの青カビタイプのチーズと混ぜたり、果物と一緒に食べたり、意外なところではエスプレッソコーヒーに浮かべたりという利用法がされていて、チーズという枠を少しはみ出した感じのレシピも存在しています。

 マスカルポーネの名前の由来は、一説にはスペインの総督がイタリアを訪れ、マスカルポーネを食べて「何と素晴らしい」と絶賛した事が元になっているといわれ、12世紀の事とされます。12世紀というとヌーシャテルチーズの100年戦争よりも遥かに古い時代となり、クリームチーズとはどこまで時代を遡るのだろうと途方もなく思えてきて、いつの日か答えを見付けなければと思えてきます。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR