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第2537回 ササニシキへ



 以前、よく行っていたドライブコースの途中にメロンをテーマとした道の駅があります。周辺の農家が栽培しているメロンを使った町興しの一環だったのかもしれませんが、その地域で栽培される米が全国の品評会で何度も最高の賞を受賞するようになってからは、メロンよりも上質の米の方が中心になってきているように思えます。

 米というとかつてはコシヒカリとササニシキが2大ブランドとして不動の地位を築き、それ以外のブランド米はコスト面から選択されるようなイメージがあり、特に米作りに適さない気候の地域のブランドは生産性重視で味は二の次という印象でした。

 それが各地域で生産されるブランド米の品種改良が進み、品質が向上して目新しいブランド名が高評価を受ける事も珍しくなくなってきています。米どころの秋田や新潟には敵わないと思っていた熊本の米が最高の評価を受けたのも、そうした品種改良の賜物という事ができ、新しいブランドの登場を楽しく眺めています。

 そうした各地の群雄割拠の中、ササニシキの名前を聞かなくなって久しく思えてきます。以前は美味しい米というアンケートを取るとコシヒカリに次いでササニシキという回答が得られていたものが、最近では不動のコシヒカリに次ぐのは各地のブランド米となり、ササニシキの名前は上位から消えてしまっています。

 意外な感じがしますがかつての両雄、コシヒカリとササニシキは「農林1号」と「農林22号」という共通の親を持っています。いわば兄弟ともいうべきコシヒカリとササニシキですが、親から受け継いだ形質には違いがあり、コシヒカリは強めの粘りと甘味を、ササニシキは弱めの粘りと上品な甘さを受け継いでいます。

 最近の日本人は米に対し粘りと甘味を求める傾向が強い事からササニシキの評価が下がってしまった事や、1993年の冷害以降、寒さに弱いササニシキよりも寒さに強いひとめぼれなどの品種へ生産の主流が移ってしまった事が、今日ササニシキを見掛けなくなった理由といわれます。

 最盛期には20万ヘクタールもあったとされるササニシキの作付面積は3000ヘクタールに激減しているとわれ、このままではササニシキが完全に姿を消してしまうのではという危機感を覚えたりもするのですが、寿司職人の間では適度な粘り気とネタの美味しさを引き立てる上品な味わいが高く評価されていて、今後も需要はあり続けるとはいわれていて、少し安心してしまいます。

 主張し過ぎない食感と一緒に食べるおかずの美味しさを引き立たせる適度な味わいは、主食に求められる大事な要素と思えます。その点ではササニシキは優れていて、いずれササニシキの復活もあればと願ってしまうのですが、急速に米離れが進む昨今、主食の在り方を追求するより消費者の人気を得る事の方が大切なのかもしれません。


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