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第2575回 王とソラマメ



 お菓子作りの材料を販売する店で、小分けされた小さな袋の中に可愛い置時計を模した物が売られていました。手に取ると袋が傾いた際に中身が偏り、それぞれが軽くぶつかり合ってとても硬そうな音を立てたので、当初は精巧に作られた飴細工科と思ったのですが、袋のラベルに「フェーブ」と書かれていた事から、年明け早々の1月6日、キリスト教の祝日である公現節に食べられるお菓子、「ガレット・デ・ロア」の材料である事が判ります。

 救い主の顕現を記念する日とも主の洗礼を記念する日ともいわれる公現節の食卓に登場するガレット・デ・ロアは、紙で作られた王冠が乗せられたアーモンドクリーム入りのパイで、中に小さな陶器製のフェーブと呼ばれる人形などが入れられています。

 伝統的には家族が集まった中で一番小さい子供が目隠しをされ、大人が切り分けたガレット・デ・ロアを誰に配るのか指名させます。子供の指名によって配られた物をそれぞれが食べ、中からフェーブが出てきた人は王冠を被って祝福され、一年間の幸運が継続するといわれていました。

 かつてはフェーブは、その名の通りソラマメが使われていましたが、1870年に陶器製の人形が作られるようになると陶器のフェーブが主流となっています。地域によってはコインが使われる事もあるそうですが、どのようなフェーブが出てくるのかという楽しみもある事から陶器製のフェーブの方が良いようにも思えます。

 占いの意味も含めて娯楽性を高めたガレット・デ・ロアを作る地域もあり、中に指輪とコイン、ぼろ布を入れておいて、指輪に当たった人は年内に結婚し、コインに当たった人は金持ちになる。ぼろ布に当たった人は貧乏が続くという人生ゲームのような物も見られています。

 アメリカで謝肉祭の最終日に焼かれるキングケーキもルーツはガレット・デ・ロアにあるとされ、中に小さなおもちゃを入れておき、それに当たると家族に祝福される事や、おもちゃには誕生間もないイエス・キリストをイメージした赤ん坊が使われる事が多い事にもガレット・デ・ロアとの関連性を見る事ができます。

 オーストリアで焼かれる「ケーニヒスクーヘン」もガレット・デ・ロアに通じる物とされ、「王の焼き菓子」という名前の意味にもキングやロア(王)との共通点を見付ける事ができます。

 王、本来は王たちには、イエス・キリストの誕生を祝福に来た東方の三博士の意味があるとされ、王冠が用意はされますが王様ではなく博士たちが主役の焼き菓子となっています。

 以前、よく前を通っていた教会では、今頃のj気になるとイエス・キリストの誕生にまつわる場面を再現した人形が飾られていました。その中に東方の三博士の姿もあり、ガレット・デ・ロアを見掛けるたびに、その場面を懐かしく思い出してしまいます。



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