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第2579回 塗る発電素材



 最近、南阿蘇村でも空き地に太陽電池パネルを設置して、発電を行っているミニ発電所が増えてきました。太陽電池は盛んに開発が行われており、日進月歩で発電効率の向上や製品価格の低下が見られている事から、発電の申請だけを売電価格が高く設定された期間に出しておき、製品価格が下がるのを待っていつまでも発電に着手しない事業者の存在が問題視されていた事もあり、少し遅れて開設された発電所は、太陽電池パネルの価格が下がるのを待っていたのかと考えたりしてしまいます。

 あまり商売といった事には無頓着なためか、一定の期間内に発電の登録を行わないと高額に固定された売電価格で電気を買い取ってもらえなくなる事は知っていたのですが、その期間内に申請を出しておき、太陽電池パネルの製品価格が下がるのを待って設備投資を抑えるという知恵は、最初に知った際はなるほどと思ってしまいました。

 先日、そんな待機事業所のうち用地の買収が完了していないなど、一部の申請を破棄するといった事が行われるという報道を聞いたのですが、もし可能ならば待っていた方が良いのではと思ってしまいそうになる技術が開発されてきています。

 これまで太陽電池パネルを作るには、高純度シリコンが素材として使われていました。高価な高純度シリコンに替わって、安価な「ペロブスカイト」が使用できる可能性が急激に高まってきています。

 当初、ペロブスカイトは、安価で葉あっても太陽電池としての電力変換率が非常に低く、素材としては適切ではないとされていたのですが、研究者の参入が相次ぎ、技術が飛躍的に進歩した事によって商用に用いられる太陽電池モジュールの変換能力に迫る変換効率を発揮するようになり、将来的な素材として注目を集めるようになってきています。

 ペロブスカイトとは結晶の構造を指す言葉で、地球上では比較的多く見られる構造となっています。有機と無機という性質の異なる素材をペロブスカイト構造で結晶化させる事によって半導体が得られ、半導体としての性質を使って太陽光を電気に変換させるのですが、ペロブスカイトの利点は基盤に塗り付けて乾かすだけで完成する事から、製造に要する手間も軽減できる事が考えられます。

 研究者によっては、かなり雑な塗り方をしてもきちんと性能を発揮してくれるという事で、製造のための設備投資の軽減も製品価格の低下に貢献するという意見も出されています。

 大きな面積のパネルとしての実用化や過酷な屋外の環境での信頼性、屋外の環境に長時間放置すると内部に存在するイオンが移動して性能が劣化する傾向があるといった克服すべき問題点は残されていますが、太陽光発電を身近なものにしてくれる技術として、実用化を待ちたいと思っています。



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