FC2ブログ

第2612回 高等戦術?



 家の近くに牛小屋があり、夏場はハエの存在に悩まされる事があります。ドアを開けた隙に屋内に入り込んできたり、車の中へ入り込んで移動中、車内を飛び回ったりと何かと迷惑するので、食虫植物のウツボカズラでも栽培してみようかと思った事があります。

 エサは豊富な環境になっているのでウツボカズラがお腹を空かせるという事はないように思えるのですが、冬は酷寒の南阿蘇なので、南国イメージの食虫植物には辛いかもしれないと栽培を断念しています。

 ウツボカズラは、壺状になった食虫器の湿った縁の部分に足を滑らせた虫を捉えるという捕獲戦略を展開しています。虫が近寄ってくるように壺の中には蜜を用意して待つのですが、南国の高い気温では、日中はせっかくの縁の部分が乾いてしまい、虫は足を滑らせる事がない状態になってしまいます。

 そうなると虫は捉えられる事なく壺の中の蜜を得る事ができるようになるのですが、あえてそうしているかのように動かす事のできる蓋の部分を開いたまま、虫が好きなように蜜を持ち帰る事ができるようにしています。

 安全に蜜を得られた事で虫は良いエサ場を見付けた事を巣に戻って仲間たちに報告し、大挙して押し寄せた虫たちを捕獲したり、油断した虫を捉えるようにしていると考えられ、実際にその戦略は功を奏しているともいわれます。

 ある研究者が日中でもウツボカズラの壺の縁の部分を湿った状態を保つようにしたところ、ウツボカズラが虫を捕まえる率は4割近くもダウンしたそうで、ウツボカズラは無意味に蜜を与えているのではない事が判ります。

 「損をして得を取れ」というのは商人の世界の事に思えますが、過酷な生存競争を生きる動植物の世界にも共通する事なのかもしれないと思えてきて、効率を追求する昨今の風潮より遥かにウツボカズラは賢いように思えてきます。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kcolumnist

Author:kcolumnist
にんにく卵黄本舗の健康コラムです。
食と健康をキーワードに最新の医療情報から科学技術、食文化や献立まで毎日更新で幅広くお届けします。是非ご覧ください。

リンク
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR