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第2614回 最先端と既存(2)



 カーボンファイバー、炭素繊維というと炭のイメージから脆い感じもしてしまうのですが、地球上で最も硬い物質がダイアモンドであり、ダイアモンドは純粋な炭素の塊りである事を思うとカーボンファイバーの頑丈さにも納得してしまいます。

 物質の頑丈さを示す指標に引っ張った際の強度を表す「引張強度」という単位が使われ、「パスカル」という数値で表されます。その引張強度においてカーボンファイバーは6.5Gpa(ギガパスカル)という強度を誇るのですが、生物が作り出す物質でその6.5Gpaを記録する物が発見されています。

 これまで引張強度において生物由来の物質では蜘蛛の糸が最強と考えられていて、その数値は1.1Gpaとされていました。今回、その数値を大きく上回る強度を持つ事が判ってきた物質はカサガイの歯で、生物由来の物質では最強とされてきた蜘蛛の糸の数倍の強度を持つ事が確認されています。

 カサガイはヨーロッパの沿岸部に普通に棲息する貝で、岩に張り付いて「歯舌」と呼ばれる舌に似た器官でエサをはぎ取るように食べて生活しています。その歯舌に列を成して生えている1mm足らずの小さな歯が、今回発見された高強度物質で、栄養価の高い藻類を削り取る事に役立っているとされます。

 その後の研究でカサガイの歯は有機成分と無機成分が混合されたハイブリッド素材である事が判り、今後、人工的に合成する事ができるようになれば航空素材から医療の分野まで幅広い応用が期待できます。

 小さな歯を岩からの摩耗から守るために強化したのかもしれませんが、地味な貝に最先端素材に匹敵する物質が隠されていたという事には、自然の力の奥深さを感じる事hができ、進歩を続けながら人類はまだまだ大自然を超えられないという事を強く感じてしまいます。


 
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